【トロッコ】読んで、観る

トロッコ 本.JPG
先日クロスパルに本を返却した時に、県立図書館併設
のラ・ラ・ネットの12月の映画上映会の案内があり、
一応電話で申し込みをした。
原作は芥川龍之介「蜘蛛の糸 杜子春・トロッコ 
他十七篇」トロッコは文庫中ほど七頁の掌編。
<小田原熱海間に、軽便鉄道敷設の
工事が始まったのは、良平の八つの年だった。
良平は毎日村外れへ、その工事を見物に行った。

トロッコ1.jpg
工事をーーーといったところが、唯トロッコで土を運搬するーーー
それが面白さに見に行ったのある。良平には二つ下の弟がいた。
トロッコは片道は登りでよいしょ!よいしょ!と押してゆく。
下りになると良平たちは「乗れ」と言われて、一直線に下る。
それが面白く、登る、下るを繰り返して、面白がっている。
教科書で読んだ「トロッコ」は鮮烈でした。主人公・良平の憧れと恐怖に心から共鳴しました。映画にするため日本中を回って「トロッコ」を撮影できる線路を探しましたが見つからず、辿り着いたのが「台湾」でした。当時は林業で使われていたという山中の線路を巡るうち、日本語で話しかけてくる老人たちから日本と台湾には深く大きな歴史が横たわっていることを教えて貰いました。大正時代の短編小説を映画にするつもりが、彼らの想いにも突き動かされ、現代の台湾を舞台とした長編への「挑戦」となりました。核家族中心の社会となった日本の母子が台湾の大家族に包まれてその絆を確かめ合う。少年の成長を描いた原作から母と子の再生の物語へ。台湾の素晴らしいスタッフ・キャストの力を借りて、それは映画となってここに完成しました。かつて日本の将来を憂いた芥川龍之介にも――この小さな「希望」を観て貰えればと願っています。
  或る時、一人でトロッコに乗りにきた良平は遊びにかまけて、
暗くなるのもうっかりしていて、草履も脱ぎ捨てて、なきながら
駆けて家へと帰った。少年の好奇心と、おとなへの関心。
良平は二十六の年、妻子といっしょに東京へ出て来た。
今では或る雑誌社の二階に、校正の朱筆を握っている。
が、彼はどうかすると、全然何の理由もないのに、その時の
彼を思い出す事がある。全然何の理由もないのに?
塵労に疲れた彼の前には今でもやはりその時のように、
うす暗い藪や坂のある路が、細細と断続している・・・・
          大正十一年二月
僅かな体験から少年がほんの少しだけおとなへと成長していく
物語から国境を超えた日本と台湾との或る家族の物語へと
作っていく様は、本当に見事!と思う。
初の母親役の尾野真千子もとても良かった。
骨になって故国台湾に戻った。少年二人と母一人の親子
三人は父が子供時代を過ごした家でしばし暮らす。
原作と同じに、少年たちはトロッコを見に行く。
少年の手には、ずっと握りしめている、父の幼い頃にトロッコを
背景に写した写真があった。
原作は、原作掌編の良さを十二分に感じるが、今回は
川口監督の映画に軍配があがった。

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