【遠い山なみの光】を読む

「遠い山なみの光」 旧題「女たちの遠い夏」 カズオ・イシグロ著 小野寺 健訳

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カズオ・イシグロ氏は「日の名残り」「私を離さないで」の映画を観た後に知りました。
どちらの映画も好きな俳優が出演していたので観たのでした。
「私を離さないで」は原作も読みました。
その後、氏の著書を手にすることも、過去に出版された本も読まずにきましたが、
「ノーベル文学賞」受賞のニュースを聞いた時には、これを良いチャンスにして
第一作から読んでみたいと思ったのです。

「遠いやまなみの光」は旧題が「女たちの遠い夏」でこちらの方が内容に合っているように
思えるのですが・・・
『故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。
戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、
不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか
立ち上がろうと懸命だったのだ。淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に
描くデビュー長編。王立文学協会賞受賞作』
と文庫の裏に書かれている。
読んでいると不思議な感覚にずっと包まれたままこの小説の中に浸かってしまう。
まず、カズオ・イシグロ氏は5歳に日本を離れているので、この国、長崎のそれも
戦後まもない頃の記憶は無いに等しいし、叔母なり、母なりからの伝え聴きでしょうか。
登場する人物の名前が漢字表記で、作者は殆ど日本語が読めないのだが、
作者が漢字表記を希望しているので、音を読み違えることなく、その音にとって
なるべく一般的な表記を使ったと訳者あとがきで小野寺氏は書いています。
悦子が出逢う佐知子、そしてそれぞれの娘との関係、悦子の最初の夫とその父、緒方さん、
ストーリーの不明な部分を会話が丁寧に詳細に暗示してくれている。
この小説を読みながら、何故だかしらないが磯崎憲一郎の文章「終の住処」とか
「肝心な子供」などを彷彿します。
ストーリーはどこか灰色のベールに覆われたままで、でも読者はそれは追及せずとも、
悦子や佐知子の真髄に踏み込むことが出来る。
過去と現在が入れ替わり、立代わりと言った感じで行き来する。
何故、最初の夫との娘景子は自殺したのか?
その問いは最初に手中に収めたまま、読み終える頃に掌を開くと、その問いは
もう消えてなくなり、悦子と二度目のイギリス人との娘ニキとの会話が転がり込んでくる。
上質な文学作品に触れた感覚で満たされました。

昨日は所要で県庁方面へ行き、その後に古町界隈を少し歩き、結局は伊勢丹で
499円の弁当を二つ買って、友人の家でゆっくり家ランチ&ケーキ&珈琲で
3時頃まで過ごしました。

古町界隈を歩いている時に、待ち合わせ場所だった「篠原商店」は
暫く振りに立ち寄ったらカフェが併設されていて、店舗はこじんまりとしていました。
「サンマの南蛮漬」と「小あじ南蛮漬」を買い、今夜は「サンマ南蛮漬」を食べます。
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最近は、白菜や大根、キャベツなどを1個買いしてメニューを替え、連日他の食材と一緒に食べきる。
今週は「キャベツ」
キャベツをざく切りにしてサットレンジでチンして塩昆布と胡麻油で和えて。
これが美味しい!キャベツをたくさん食べられます。

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