【JR高田馬場駅戸山口】

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に続く三冊目を読んだ。一連の山手線シリーズで全米図書賞受賞という快挙を
受けて、改題、新装出版はやはり「柳美里」を知らなかった人々を知らしめる
チャンスになる。しかし、その作家がどんな権威を貰おうと個々の人間として
好きが嫌いかは押し付けられるものではない。
賞にノミネートされながらも受賞を逸した作品でも「私は好きだ!」と言う事は
自由だ。「JR品川駅高輪口」「JR上野駅公園口」の二冊は未読、未再読だが
もう読まなくていいと思う。
本作は幼稚園に通う息子とその母が主な登場人物で、近所の人、園の人などが
登場する。中身は丸で、小劇場の舞台作品の脚本かと思う程、過激な会話
小さいぁ、っ等の入った科白、太字の大文字で文章で強調。
「私は」「女は」と主語が入れ替わり、意味不明で忍者言葉になる。
駅構内の電車音、アナウンス等殊更の擬音語の多使用。
柳美里さん、さようなら、私は貴女を理解する読者には成り得ませんでした。
或る人は村上春樹は嫌いと言い、谷崎潤一郎「痴人の愛」は不気味と言い
或る人は石田ゆり子を可愛いと言い、或る人は知的な役は似合わない
主婦がパートしながら安直な不倫する役が似合うと言い・・・
何をどう思うのかは個々人の自由なのだ。
人間の真相心理に深く切り込んだ作品に出逢いたい。
そうした期待に応えてくれる作品は私の本棚に収まっている。