【ブルームーン】

昨年から、8月が終わりそうになる頃にこころがザワザワしてしまう。
それは何故か?北日本文学賞の締め切りが8月末日なので。
締め切り後、1次選考⇒2次選考⇒3次選考⇒受賞作品確定
となるのは、北日本新聞社主催の文学賞で、選考委員には地元の人
新聞社の人、そして、この文学賞が一地方の文学賞にも係わらずに
人気なのは、小説を書いて、応募してみたいと思っている全国の
老若男女のこころをざわつかせる理由があるのだ。
①⇒選考委員には宮本輝氏が係わっている。
②⇒枚数が30枚と少ない。
③⇒元旦の北日本新聞に掲載される。
④⇒副賞が100万円
応募は富山県内在住に限定されずに全国から応募できる。
でも上記の理由により、応募数は1000人超えでかなり多い。
応募者年齢が他の新人賞よりも若干高め。
昨年元旦掲載の新聞を取り寄せて読むことができた。
「種を蒔く人」という、他人の土地や公共の場にも種を蒔いて花が
咲くのが楽しみな青年の話。元旦の紙面を飾るには相応しい!と思う。
殺人だの、エロチックな内容を彷彿とさせるのだのは敬遠されるのかな。
でも、①の理由は何故?宮本氏と言えば大阪を舞台にした「泥の河」
が出世作で有名。生まれは神戸だが、父の仕事の関係で9歳の
時に富山県豊川町に転居。翌年に父の事業が失敗した為、又兵庫県へ戻り
小学校⇒大学と兵庫で過ごす。無理やり1年間過ごした宮本氏を富山所縁の
作家としてお願いしているのだ。初代は丹羽文雄氏 第3回⇒井上靖氏
第26回⇒宮本輝氏 一地方の文学賞選考委員にしては錚々たる面々だ。
最近では、宮本輝氏に読んでもらえるところまで行けば感激とかいう声が
聞かれる。で、どんなに駄作でも、書いて応募しなければ何も始まらない。
昨年第54回の受賞者は祇園でスナックを営んで、苦節21年の逢河光乃さん。
「ブルームーン」は受賞作のタイトル。
どこにでもいる平凡な人々の、平凡な生き方、あるいはその断片を書いて、読後、人生の滋味を読み手にそこはかとなく感じさせる小説というものは、意外に少ない。
 これは昨今しばしば過大評価される新人作家お得意の、奇想天外な舞台と、物珍しい設定のなかで凝った文章を書きなぐるよりもはるかに高度な作家的手腕と人間観なしには書けない小説なのである。
 今回の候補作六篇(へん)は、どれも前者に属していて、うわっつらだけを読んで、さしておもしろくもない退屈な短篇と評する一知半解の評論家に読まれたら、丸めて屑(くず)籠に捨てられるかもしれない。
 逢河光乃さんの「ブルームーン」を、私はことしの受賞作に選んだ。
 少女の叔父であるヨシオちゃんは「ブルームーン」というゲイバーで働いている。このふたりの十数年の交友が、べつだんなんということもなく書かれているだけだが、やがてヨシオちゃんを媒介として、周りにはいつのまにか人の輪ができて、少女は母となる。いろんなことはあったが「なべて事も無し」なのだ。 これがしあわせというものではないのかと考えさせられる。とにかく文章の「坐(すわ)り」が良くて、落ち着きもある。優れた短篇だと感じた。(宮本輝氏選評)
昨年は知らずに新聞社に新聞(1月1日付の新聞)を取り寄せたのだが、
今年は北日本新聞社Webunで電子書籍の感じで全文読める。
宮本氏の選評も読める。1037編の応募で4次選考まで残ったのは30編。
「ブルームーン」は男性が女装して接待するスナックなのだが、
店を離れればヨシオちゃんは自分を「僕」という。
姪としての美月ちゃんを守る、相談相手になる。
川上未映子のあの大阪弁のグダグダした会話を読んだ後では、宮本氏の
指摘した通りで、一見、大きな変転がない人と人の間には温もりを
感じる。こういう感覚は映像化されても良い作品になれそう。
富山へ行った2015年9月22日~23日 内蔵助山荘に泊まって、
立山三山を歩いたことを懐かしく思い出した。
剱岳、その右側には八ツ嶺。劔の手前左側には別山
1500x500.jpg
山に行きたい!でも、その一歩が重い~~~
ひたすら本のページを括り、文字をWordに落とす日々。

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