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zoom RSS 【モラルの話】

<<   作成日時 : 2019/04/06 21:03   >>

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画像「モラルの話」 J・M・クッツェー作 くぼたのぞみ訳 人文書院
「犬」「物語」「虚栄」「ひとりの女が歳をとると」
「老女と猫たち」「嘘」「ガラス張りの食肉処理場」 
モラルについての短篇集七篇。
前編二篇以外は、J・M・クッツェーが生み出した
老作家「エリザベス・コステロの息子と娘がからむ話。
人間の底に潜むモラルへ様々な視点から光を当て
抉り出している。主人公は老女。
なので、立場は違えど身につまされる。
何故、クッツェーは老女を登場させたのだろうか?
わたしは考える、そしてわたしの考えることは
「わたしだけのものであり、それを特徴づけるのは
わたしであることであり、わたしの主観性で
あって、これは思考よりさらに深いところにある。
これほど明らかなことがあるだろうか?」

と息子へ語っていたのに
「よくわからないのよ。さっきも言ったけど、もの忘れが
ひどい。自分で自分が分からなくなる。通りに出てる
のに、なぜそこにいるのか、どうやってそこへ行ったか分からない。ときには自分が誰か分からなくなる。
気味の悪い経験だわ。頭がおかしくなっていくような感じ。予期はしていたけど。
脳が、物質だから衰えて、心と脳の連絡がうまくいかないので、心もまた衰える。
それがわたしに起きていること、早い話が。仕事ができない。あの書類が手に負えないっていうなら、
心配しないで、ちょっとどこか安全な場所にしまっておいて」

自分が書き記した書類を何も分からない掃除の女性によって廃棄されかねないので、息子へ送る。
一回、さっと読み通しただけでは、理解は浅い。
ジョン・マックスウェル・クッツェー初体験。
いつか他の著書も読み、再読したいが、かくいうわたしも「老女」であるので、難解な話を
深く理解できるかどうかは不安。衰えの一途の脳の活性化にはなるだろう。
ノーベル賞作家が、これまで自明とされてきた近代的な価値観の根底を問い、時にシニカルな、
時にコミカルな筆致で開く新境地。英語オリジナル版に先駆け贈る、極上の7つの物語。

英語という言語が世界全体におよぼす覇権に抵抗する姿勢を鮮明にする。
と帯に書かれているが、これに関しても賛否があるようだ。
ジュンク堂では「ジョン・マックスウェル・クッツェー」はアフリカ文学のコーナーに納められている。
そして、アフリカ文学はとても数が少ない。その中でジョン・マックスウェル・クッツェーの占める数は多い。
最後の篇では「ハイデガー」「スタイナー」「ドーキンス」「キース・トマス」「デカルト」「ロレイン・ダストン」
と知らない哲学者の名前の引用もある。
難しいが、総じて、わたしのお気に入りの範疇のピタリと嵌った。

モラルの話
人文書院
J.M. クッツェー

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