【産まなくても、産めなくても】

「産まなくても、産めなくても」  甘糟 りり子 講談社 2017年2月発行
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2018/10/27 NHK総合 【おはよう日本】
毎朝、起きると同時にスイッチを入れて時計代わりに聴いている。
特集“子どもがいない”という生き方 "
先週都内で開かれた子どもがいない女性たちの
集まり。語られたのは子どもを生んでいないことで直面した
つらい経験だった。不妊治療がうまくいかず夫婦の間に
ほころびが生まれる人も多くいる。
地域の中で孤立感を深める人もいる。
子どもがいない生き方をどう歩んでいくのか、
模索する女性たちを見つめた。
中略
都内にある大手出版社。ここでは子どもがいない
女性同士が学び合う集まりが定期的に開かれている。
主催者はミドル世代の生活に関する情報を発信する
くどうみやこさん。くどうさんは去年、子どものいない人生を生きる女性100人以上を取材し、1冊の本にまとめた。
多くの人が悩みを持っているがくどうさんが注目したのは子どもがいないことによるメリットを目を向けることだった。
この集まりに参加する人の子どもがいない理由は様々。
この日はそれぞれの人がどのような思いで日々過ごしているか、前向きな意見が交わされた。
くどうさんは「まだまだ人生は何十年もありますから子どもがいないことを卑下することではなくて
いかに楽しむかを課題にして仲間たちを一緒に歩んで年齢をすてきに重ねていきたい」と話した。

番組で紹介された「くどうみやこ
実は番組を観ていて、次第に「不愉快」になってくるのだった。
集いには20代から60代までのそれなりに恵まれた環境で暮らしていると見受けられる女性
(それは服装やアクセサリーや化粧などなど)で、子供が産まれなかった(或いは産めなかった)
それに特化した自分の行き方を集いで学ぶのだろうか?
自分の体験は他の人の参考になるのだろうか?
他の人の体験は自分にとって参考になるのだろうか?
世の中は、日本は「平和」でかつ恵まれているのだなぁ~
「もし、私が子供を産めなかったとしてこのような集まりに行くのか?
勿論100%行かない!
そんな「不愉快さ」を抱えて、生きている内に、絶対読まなかったであろう本を読んだ。
それが甘糟 りり子の本書。
自分の体験をこの場では詳細には語れないが、私が将来子供が産めるか産めないか?
の岐路に立たされたのは高校1年の6月だった。
良性の腫瘍の為、学校を欠席してまで急ぐ手術ではなかったので、
体育の授業を当分休むことだけ担任に申し出て、夏休みを待って手術した。
その時に医師から「あなたが将来子供を産む年齢になった時には腫瘍が又、出来ている可能性は
多くて、早く結婚して子供を作ることをお薦めします」と初心な16歳の乙女は言われてしまった。
でも、幸いに腫瘍が出来ているまま、妊娠して、切迫早産と切迫流産の危険期間だけ入院して
それ以外は実家に帰り、入院していると同じ生活をして予定日に近い日に女児を出産できた。
赤ん坊が10ヶ月になった時には再手術をした。
第1話 掌から時はこぼれて
27歳の時に悪性リンパ腫に罹った友美は抗がん剤治療を
受けた為不妊のなる。婚約時には夫になる彼にそのことを伝えるが「自分は構わない」と
いうことで結婚する。が、義母が孫の顔を見たがっている話をするので、夫にキチンと話して
いないのか?はっきり言って欲しいという。すると義母は夫に「どこかに、いい人いないの?」と
夫に話しているのを聴き、離婚を決意するが、夫は自分がはっきり母に話さなかったことを詫びる。
離婚の相談をした弁護士に「卵子凍結」の方法を教えられる。卵子凍結の費用的なことが詳しく
書かれている。が、結局は普通の状態で友美は妊娠する。
第2話 折り返し地点
マラソン選手の美幸はリオオリンピックを目指す。アスリートにはありがちな「生理が止まる」
「生理が復活すると負ける」というジンクスがある。選考レースでは良い結果が出ずにいた。
そんな頃合を見計らったようにプロポーズされるが、一時は引退を考えた美幸だが
「結婚」よりももう少し時間のあるレースに未練があるからと告げる。
が彼は「子供なんていなくてよいから」と言われ、選手を続けることで結婚を了承する。
第3話 ターコライズ
第4話 水のような、酒のような
第5話 エバーフレッシュ
第6話 五つめの季節
第7話 マタニティ・コントロール
近未来の世界。人口知能にできないことは、飲み食いに排泄、罹患と闘病、それから妊娠、出産
人口知能が書いた小説「ある一日と、その他の日」が世界的なベストセラー
事務作業や単純労働をロボットに任せていた時代は終り、ロボットを自分たちのお手本にするのは新しい人間のあり様(よう)となりつつある。日本製のロボットは電源をオフにすれば睡眠をとるし、感情のプログラムにはちょっとした「嫉妬」や軽めの「落胆」も組み込まれていた。人間を理解させるために。八年前に、不妊治療や子育て支援に多きな予算を投じると公約に掲げた女性議員が立ち上げた政党が政権を取り、彼女は、日本初の女性総理大臣となった。
妊娠までの医療費は全て国が負担した、子育て費用の補助金は収入によって多少の差があるが、紙オムツや哺乳瓶、ベビーカーに服や靴、子供の為の物資は全て国からの支給だった。
妊娠時期専用の「マタニティ・コントロール」というサプリメントを毎朝毎晩服用している。
2020年以降の世界、日本は急激な変化を遂げている。
物語の末尾は
国内3例目、人口子宮によって男性が出産
東京都中央区の産院で、先月26日、人口子宮により会社員の男性(34)が出産していたことがわかった。
国内では3例目。父子ともに健康とのこと。
2026年に長野で初めて人口子宮による女性の出産が行われ、そこから急激に各地で実例が増加。
昨年、初めて子宮移植による出産を上回っていた。
今回出産した会社員の男性によると、夫婦で話し合い、出産も家事のように男女で分担すべきだという
議論になった。再来年には、妻が次子を産む計画を立てているという。
夏に新しく発足した大泉内閣でも、今後、このような「出産分担夫婦」を後押しすると見られる。(毎朝新聞)

甘糟 りり子は本書の前にも「 産む、産まない、産めない」を2014年に出版している。
甘糟 りり子は父は出版社の元副社長。母はエッセイスト。本人は資生堂のキャンペーンガールに選ばれ
大学卒業後はアパレルメーカーに勤務して後執筆活動を始める。
ファッション・グルメ・映画・車等の最新情報を盛り込んだエッセイや小説で注目を集める(Wikipedia参照)
凡そ、私の読書体験には登場しない人だったが、最初で、最後の読書だった。
子供を産む、産まない。それは二者択一ではなく、他の社会的環境、人間関係等々に織り込まれ、
いざなわれているものであって、けっしてお洒落な物語では語りつくせないと思うのだが・・・
「卵子凍結」「人口授精」「養子縁組」等々、第7話の「男性出産」により、本格的に女性、男性の
産休、育休が始まるのかもしれない。
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