【遺言三部作「ソルハ」】

画像「1996年9月27日、アフガン政権崩壊。タリバンが首都カブールを制圧」——生まれたときから戦争が日常だった少女ビビは、タリバンの厳しい監視下に置かれた生活を送ることに。母は撃たれて亡くなり、兄はタリバンに対抗する兵を志願し家を出る。一家離散となる中で、ビビは何を決意し、生きる支えを持ち続けたのか。戦時下でも「生き抜く」強さとは何か。遺言の意を込めて、初めて若い人へ向けて書き下ろした、著者渾身の一作。
★第60回小学館児童出版文化賞
★第22回読書感想画中央コンクール指定図書
あかね書房紹介ページより
「ソルハ」とはダリ語で「平和」と言う意味です。
日々、ニュースで「アフガニスタン」「タリバン」「イスラム教」などなど耳にすることは多いですが、本質はサッパリ理解していいないのが本音です。5歳のビビと一緒に、ビビの成長と共に一緒に体験してゆけるので、多少ですが、理解できるような気がします。「水神」の次に帚木蓬生氏が取り組んだのが、このアフガニスタンで生きる少女ビビの眼を通した世界とは!心して読みました。



文末に手書き文字で
~かつて子供だった大人のみなさまへ~    帚木蓬生
 この物語は少女少年向けですが、大人にも面白く読んでいただけます。その理由のひとつは、ひとりの少女の成長物語だからです。
大人はそこに、自分が大人になるまでに体験したさまざまな類似の出来事を見出すはずです、第二に、物語の舞台がアフガニスタンであり、日頃よく耳にするタリバンやイスラム教についての記述が多く出てくるからです。テレビニュースや新聞で毎日のように接していると、私たちはタリバンやイスラム教をよく知っている錯覚に陥ります。その実、知識と理解は、この物語を読んでいる子供たちと大差ないことに気がつくでしょう。イスラム教の本質は平和であり、原理主義が説く闘いとは全く反対の極にあります。この物語を読み終えたとき、大人のあなたもイスラム教の人々が好きになっているに違いありません。
 この物語はまた戦争を扱っています、私たち大人は、もうたいていの人が戦争を体験していません。戦争はおとぎ話の世界に思え、世界のいろいろな地域で紛争や戦いがあっても、自分たちとは無関係の対岸の火事に思いがちです。これからの二十一世紀、自分の国だけが平和であり続けるのは不可能です。平和から戦争への変化はあっという間であり、再び平和を取り戻すには、長い時間と大きな犠牲が必要です。私たちは平和な国にいるからこそ、大人も子供も戦争の悲惨さには敏感でなければならないのです。
 どうぞ、子供たちと一緒に、この物語を開いて下さい。

私が一番感動したのは第9章「一万時間の法則」です。
ビビのお母さんは常日頃ビビに言っていたことがありました。
「一週間に二十一時間、同じことに打ち込むのを十年間続けること。そうすれば、必ずその道では一流になれる」
ようするに一日三時間を十年間です。3H*356D*10Y≒10,000H
それをお母さんから聞いたのが10歳の時です。アラビア語とコーランの勉強です。
何もしなければ、何も身につかない。コツコツ毎日の積み上げで「知る」ことで世界を知るのだと。
ビビは母から聞いたことを誰にも言わずに10年後の自分を思い描きながら実践します。
始めるのに年齢は関係ない。気づいた時がスタートなのですね。
でも、毎日、3時間を無為に過ごすことは簡単ですが、目標を持ったことの実践は難しいです。
コツコツと本を手にするしかないように思えます、私は。

この本もいつか再読をしたいと思います。その時に、アフガニスタンは少しは平和に近づいているでしょうか!
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この記事へのコメント

本が好き!運営担当
2016年09月25日 22:32
突然のコメント、失礼いたします。
書評コミュニティサイト「本が好き!」を運営しております、和氣と申します。

今回レビューを拝読し、ぜひ本が好き!にも書評を投稿していただきたいと思いコメントいたしました。

本が好き!URL: http://www.honzuki.jp/

本が好き!では、書評(レビュー)をサイトに投稿していただくと本がもらえる、献本サービスを行なっております。

ご自身の書評サイトと併用で利用されている方も多いです。
(弊サイトの書評掲載画面に、貴ブログへのリンクを貼ることができます。)

よろしければ一度サイトをご覧いただけますと幸いです。

不明な点などありましたらお気軽にご連絡ください。(info@honzuki.jp)

どうぞよろしくお願いいたします。
2016年09月27日 10:32
本が好き!運営担当様
土日と山に出掛けておりました。
山も好きですが本もタイトル通り、ボチボチと隙間時間を見つけて読んでいます。
このブログは山記事が多いのですが、山記事が無い隙間の時に
自分の備忘録の為に感想を書いております。
本はどんな本であれ、読みっぱなしよりは、その時の自分の感じたことを書いておくと、良いのですが、なかなか時間が取れないことが多いのですが、貴サイトを拝見しまして、自分の読んだ本、未読の本等々見ますと、参考になります。
今度、記事を投稿致します。
本が好き!運営担当
2016年10月03日 00:34
のりこ様

突然のコメントにご返信いただき誠にありがとうございます。

<貴サイトを拝見しまして、自分の読んだ本、未読の本等々見ますと、参考になります。
<今度、記事を投稿致します。
こうおっしゃっていただけてとても嬉しいです。

今後とも本が好き!をどうぞよろしくお願いいたします。