「休暇」

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吉村 昭の短編集「蛍」収録「休暇」の映画化を知ったのはかなり前で文庫本の原作は読み終えていました。

11日、午後からは山の会の用があったので、午前中にシネ・ウィンドへ行ってきました。
万代の駐車場は、相変わらず手間取り、入ったのはもう暗くなっていて本編が始まる正に1分前でした。

原作を読んだ後に、実は、似通った丸山 健二「夏の流れ」を今月の課題図書に選んだのでした。

丸山 健二氏に関しては昨年に「遅れてきた読者」として衝撃的な出会いを得たと思っていて、読書会では是非、彼のデビュー作を取り上げたいと思ったのでした。

期せずして、同じ「刑務官」+「死刑執行の担当になる」=休暇を得る。
この等式が全く同じ小説でした。

「休暇」はシネ・ウィンドへその後、他の作品を観に行った折に、その後の上映は「休暇」の日には、外に凄い行列が出来ていて、この映画の反響に驚いたものでした。

吉村氏の作品はそう多くは読んではいません。
が、映画化された作品は観ていて、刑務所物としては緒形 拳さん主演「破獄」が強烈な印象に残っています。

中年に差し掛かった刑務官平井は子持ちの女性と見合いをして、新たな家庭を築き、女の連れ子とも上手くやって行こうと思っていた。
が、父の葬式等で休暇は使い果たしてしまっていた。
結婚式を挙げるだけではなく、新婚旅行らしき子供連れの旅行にでも出れば、気持ちを通い合わすことが出来るかもしれないと考えた平井を「死刑」執行の際の「支え役」を自ら申し出る。
その後には1週間の休暇が与えられるからである。

生きることにした  人の命をひきかえに
とありますが・・・
果たして、このフレーズは言葉通り、すんなりとは、私には心に入ってはいきません。

死刑囚を収監している刑務所に勤務している刑務官は、確かに、一般的な言い方をするなら「人の忌み嫌う職業」かもしれない。
世の中から「死刑」という烙印を押され、「その日」をただ怖れながら待つ日々。
そしてその執行にどういう形であれ「手を貸す」任務。

でも、死刑という制度、その死刑囚に課せられた「死刑執行」に立ち会うことに、引け目になることも卑屈になることもないのではないか?と思うのです。
犯罪が勃発して、逮捕があり、裁判がなされ「死刑」が確定して収容されます。
そして、最終の時として「執行」がなされます。

刑務官は自分の平和な趣味もあり、笑いもある日常の生活の対岸に、究極とも言える対岸の世界が高い門一つ隔てた世界に「職務」として「非日常」へと通勤しています。

たまたま、「休暇」を読み、映画を観、そして「夏の流れ」を読んだ私としては、「夏の流れ」により大きい賛同を得ました。
もし、休暇を観た人の少しでも「夏の流れ」にも手を伸ばして欲しいと思うのです。

死刑制度を問うことは刑務官の職務外のこと。
刑務官が死刑に関与していることは、あくまでも任務の一環なのだから、割り切れば良いのではないのか?
その職務に関してのジレンマ、葛藤は無いとは言えないところに、ただただ決められた任務遂行にだけ精励することが出来ないところに「小説」が生まれるのでしょう。
簡単には感想を言えない世界です。

本を読み、映画を観て、その後には数日後には、丸山 健二氏との「戦い」=私の内なる小説世界との戦い
があります。

1月12日
キングサーモン
牛蒡をピーラーで剥き、オイスターソース炒めに
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1月13日
時々、無性に食べたくなるカレー
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1月15日
残り野菜と鶏肉でトマト煮込み風に
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この記事へのコメント

2009年01月27日 11:50
 お久しぶりです。お母様お元気そうで何よりですね。ご紹介の本、「夏の流れ」「休暇」、興味が湧きましたので、読んでみますね。
 夕食のメニュウ、とても参考になり私は楽しみに拝見しています。我が家の昨夜の献立は鰺の塩焼き&カキフライの豪華?メニュウでした。
2009年01月28日 08:10
テントミータカ様
自分が山から遠ざかっても、皆様の山記事はたのしく拝見させて頂いております。
「夏の流れ」も「休暇」もどちらも、地味で起伏はなく、淡々とした刑務所の様子と平凡な地味な刑務官の日常との対比の小説です。
私は、こうした世界は好きなのですが・・・
鯵は今、美味しそうに店頭に並んでいますね。
私はどうもお魚を下ろしたり、内臓を自分で取ったりするのは苦手で、結局、下処理された魚や切り身を買うことが多いです。
包丁がよく切れない所為かな?
カキフライも美味しいですよね。
私はフリッターも好きなのです。
柔らかくなるので母には良いみたいです。
今度、自家製カキフライ作ってみましょう!