「休暇」と「大根ステーキ」

出版社PR誌で映画「休暇」の小さい記事を見つけたのはもう、大分前の話です。
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小林 薫、大塚寧々、西島秀俊主演と言う事と、原作が吉村 昭氏と言うことで公開を待っていました。
6月7日全国公開と言うことで、遅れて上映かな(新潟は)と思っていましたら、劇場情報が更新されても、福島、群馬、山形と続いても・・・・

新潟だけありません(ーー;)

吉村 昭氏は骨太の真摯な眼差しで現実を容赦なく見つめる作家。
かくいうけれど、余り熱心な読者ではありません。
先日、テレビで「破獄」を観ましたが。

原作は中公文庫「蛍」の中に収められています。「休暇」始め9つの短編集です。
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吉村氏と言うと、長編作家というイメージだったのですが、短編にも、執拗とも思える見放さない「眼」で人生の隙間に訪れる「非日常」を上手く書かれています。
そういえば「眼」と言う作品もありました。

刑務官である「かれ」は職業を聞くと、大抵の女性は引いてしまうため、35歳まで独身でした。
仕事は、自分の意思や努力といったことは必要なく、淡々とこなしていくばかりです。
父の葬儀やなんやかやで休暇を全て使い果たしたかれは薦める人がいて見合いをして、子連れの女との再婚が決まりました。
一応「新婚旅行」めいたものに出かけたいと思うものの「休暇」がない。
が、「支え役」を引き受けると1週間の特別休暇を得られるのだ。
誰も、自ら進んで立候補する人はないため、順番にその当番は回ってくる。
が、彼は、女との休暇を得たくて、自らその「支え役」を買ってでる。

頭の上から、落ちてきた「死体」に成り立ての「死刑囚」を受け止め、支える役目である。
死体を受け止めた手は何度、丁寧に洗っても、何かがこびりついているような気がする。
が、かれは女と女の連れ子と列車に乗り、温泉宿での一夜を過ごす。

映画は観ていませんので、比較する事は出来ませんが、大きな出来事も事件もない「刑務官」と「晩婚」の男の心情が見事に掌編の中に煮詰まって、凝縮されています。
こうした掌編を映画化しようとした監督、門井 肇は1973年生まれでまだ若い。

人の命と引き換えに「遅ればせの自分の幸せな人生のスタート切符」を手に入れたかのように思っているかれ。

PS:本日(11月15日現在で劇場情報を見ましたら、1月10日から「シネ・ウィンドで上映決定」
ありがたい「市民映画館」です。
今日(11月15日から山形で上映なので、行きたいと思ったほど)
でもDVDを待つという方法もありました。

ふと眼にした小さな映画化の記事。その所為で「吉村 昭氏」を読むことが出来ました。

晩御飯
母と二人で、私が山などに行っていて、料理しない日があったりすると、1本の大根でも冷蔵庫の野菜室で日ごとに萎びれていってしまうのです。
その大根の再生に⇒「大根ステーキ」を作ってみました。
至って、シンプル
厚めに切った大根は出し汁で煮て、味を少々沁み込ませる。
バターをフライパンに敷き、焼いて、仕上げに天汁を廻しかける。
シメジご飯・具無しの茶碗蒸し
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この記事へのコメント

latifa
2009年09月27日 14:48
こんにちは。
私も「蛍」を読みました。
映画を見てから原作も読んでみよう・・という経緯だったのですが、両方楽しめました。
こちらの映画の方の感想と、「夏の流れ」丸山健二も拝見させて頂きました。
「蛍」は休暇もですが、他の作品も読み応えがあって、読んで良かった~と思える小説でした。

http://blog.goo.ne.jp/latifa/e/8c2b2a5562115ee248c791dadd98418c