わたしの流儀

少し前に作家「吉村 昭」氏の訃報をしりました。
今まで、何十年も心の片隅にすら思い浮かばずにいた人のことが、訃報を知った途端に、その人と私との繫がりを懸命に模索しようとしている自分がいます。

「吉村 昭氏」=津村節子さんと夫婦で作家。
映画「うなぎ」の原作者。
冷徹そうな面差しで、真面目そうな人柄は氏の作品共々、近づき難い雰囲気を感じていました。

亡くなられてから、その人と作品を調べるというのも、不謹慎かもしれませんが、でも最後に死をもって、自らの存在を示しているとも言えるのでしょう。

随分昔に「冷たい夏、熱い夏」を分厚い新潮社のカバー付きの本で読んだことを思い出しました。
多分、20代の頃ではないでしょうか?
勿論!?その本は本棚にはありませんし、内容もよく覚えてはいません。
映画「うなぎ」は大変に面白かったのですが、その原作を読もうとも思わずにいました。
吉村 昭氏といえば、”戦争もの””歴史もの”のジャンルが多くて、それらのジャンルは、私にとっては歩きがたい藪のような思い込みでいました。

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まずは柔らかい、死の人柄の入門書としてエッセイ集「わたしの流儀」が紀伊国屋書店に届いたたので、早速読みました。
1200字にも満たない長さで、大きく6つのジャンルで細かく20くらいのタイトルで語られている氏のこだわり、日常の切り取られた出来事の感想等々が語られている。

小説でもないので、食後とか就寝前とかにあっという間に一タイトル読み終えるので、便利な本です。

氏の性格は、一言で言えば俗に言われる”真面目”で”律儀”と言えるのでしょうが、でもだからと言って、コチコチの堅物という訳でもなく、私のように亡くなられてから、作品に触れている不謹慎者にも墓場の陰で「良いですよ」と仰って下さっているような気がします。

新潮文庫から多数出版されています。絶版になる前に文庫、図書館を利用して1冊でも2冊でも呼んでみたくなりました。

チャーハン。煮しめ。トマト。茄子漬。
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この記事へのコメント

2006年08月30日 08:36
TBありがとうございました。氏の作品は『敵討』しか読んだことはなかったのですが、この機会に『破獄』『長英逃亡』の二つの作品を読みました。
既成の枠からはみだした人間の強さも弱さもある本物の人間性を描いて共感するところの多い傑作でした。
2006年08月31日 04:21
よっちゃん様

いつも、いつも読後感を読ませて頂いて参考にさせて頂いております。
早速「長英逃亡」文庫上下、セブン&ワイ受取で注文しました。
氏の人柄に今更ながら触れた思いです。