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zoom RSS 帚木蓬生「空夜」を読む 

<<   作成日時 : 2017/11/08 05:04   >>

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先日「ギャンブル依存国家・日本」を読み終えて、久し振りに帚木蓬生の《恋愛小説》を読んでみたくなりました。
筑後を舞台にした歴史物、精神病院を舞台にしたもの等々ありますが、所謂「恋愛もの」は初読でした。
直木賞作家の書く、所謂恋愛小説は苦手で、ここ最近は手にしていませんでした。
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安宅夏夫の解説が末尾に長々と詳しく載っていて、その冒頭を引用します。
「空夜」は、九州築後平野が菅尾連山(作中の設定された呼称。以下同様)の西側筒岳の山麓に這い上がった山中の五条村を物語の主要な場所(トポス)とし、ここにワイン製造所を営む真紀の一家を、新しく村の診療所医師として赴任してきた慎一、加えて真紀が娘の伽奈を毎朝二時間近くもかけて幼稚園に車で送っていく平野部の町にブティックを開く俊子、その恋人で農業試験場勤務の達士が主要な人物として転回する恋物語だ。
「空夜」とは、耳慣れない言葉だ。とはいえ、既に本作品を読み終えた人において、この語の孕む意味内容は極めて分明であろう。
「空夜」は、二個の漢字のドッキングの語義通り、「空ろな夜」であり、そこから「さびしい夜」また「まだ月ののぼらない暗い空の夜」の意が生じる。ちなみに「空」の漢音は「こう」で、「くう」は慣用音である。


俊子は夫が居て、寮生活を送る息子がいる。
けれど、年下の達士との旅行を重ね、いつも濃密な性描写が描かれている。
真紀はかつては酒造会社だった家の跡取り娘として、現在はワイン製造に切り替えた家で
祖母、両親、夫の誠、幼稚園児の娘と暮らしている。
自分を故郷と家業に縛り付けている現状に抗うことはないが、せめて、毎日2時間かけて
赤い外車、ミニで送り迎えして俊子の店で洋服を買いながら、俊子とのお喋りを楽しむ。
小学校の頃に先生に連れられて行った花見で、慎一は糸に針で桜の花びらを通して
ブレスレットを作り、真紀にあげる。父を失い、母と共に故郷を出て行ってしまう。
喘息を患う真紀は地元の診療所に定期的に診療に通っているが、或る日、其処へ
幼馴染の慎一が赴任してきて、患者と医師としての関係が生まれる。
この小説の中では思い出の桜の頃より始まり、夏の蛍、秋の紅葉、とり分けこの地では有名な
「櫨の紅葉」と季節の移ろいが描かれ、そこには真紀のワインの販売を慎一の発案で実施された
薪能の様子などが描かれ、次第に濃密になっていく真紀と慎一は作品の最後の最後でようやく結ばれる。
真紀の夫はかつて信用金庫に勤務して顧客として父が知り合い、見込んで婿養子に迎えたものの、
実はギャンブル依存症で何度も、真紀や真紀の両親が尻拭いをしている。
真紀と慎一が結ばれて物語はプツンと終りを告げてしまうが、「空山」が続編へと繋がる。

真紀と俊子、この対照的な二人の女性の人物設定が上手い!と想う。
俊子は、夫との関係を清算しようと思っている矢先に達士は事故であっけなく死んでしまう。
直木賞作家の恋愛小説とは一段も二段も映像化されると見応えがある作品になる!
映画化されて欲しいと思いつつ・・・でも自分の中でイメージを膨らませています。

今日は、駅南 笹口方面へ用で出掛けたので、中華のランチを食べました。
鶏肉の甘酢あんかけでした。黒酢が揚げた鶏肉や茄子に絡み、美味しかった!

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