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zoom RSS 【指の骨】 高橋弘希著

<<   作成日時 : 2017/09/18 11:03   >>

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「小耳に挟む」という言葉があります。
正に或る日運転中のラジオで作家 川上未映子さんが自身が
選考委員をしている新人賞に関して語っていました。
画像

「指の骨」 高橋弘希 第46回新潮新人賞授賞 2014年9月 単行本2015年1月 初の著書
ラジオでは川上氏は、普通選考委員5人が全員一致した意見というのは滅多にないのですが、
この作品に関しては全員一致で決まったというのです。
この後、芥川龍之介賞候補3回、三島由紀夫賞候補3回ですが、未だ受賞には至っていません。
何故か、それは1979年生まれの人が書いた「戦争小説」と言うことにベテラン作家の賛同は
過半数を得られなかったので、次なる新人の為の賞を逃している。
私は、戦争物は殆どと言って良い程読んでいない。
「もし」小耳に挟んでいなければ、決して出逢えない作品でした。
1979年生まれの高橋弘希は予備校講師として勤務しながらロックバンドにて、
作詞、作曲、ボーカル、ピアノを担当と紹介されていて茶髪系のいかにもロッカーといった容貌です。

舞台は太平洋戦争の南方戦線、ある架空の島の「野戦病院」での出来事。
私は同郷の人などと共に、いつ亡くなるかの切迫した日々を静謐に語っている。
次々に命を落とした戦友は指を切られて、認識票と共にアルマイトの弁当箱に収められる。
”ある昼下がり、どこかの寝台で、血便を繰り返していた重症の赤痢患者が死んだ。
衛生兵が肉と骨を切断する、ゴトリという音を聴いたとき、私の中でリンとなった。
それで理解した。細い線の先に結わえてあるものは、実家の窓辺に吊るしてある、
金魚柄の硝子風鈴だった。
眞田が風土病を発症したのも、その頃だった。”81頁

私はいつでも眞田の「指の骨」の入ったアルマイトの箱を持ち歩き、自分が行き倒れになっても
いつか、指の骨が眞田の子供 小太郎に届く日を信じて想像する。

センテンスが短く、簡潔で、淡々とした筆致はとても読みやすく、戦争を知らない私にとっては、
野戦病院の生活、死んだ人が多くなり、空いた寝台が多くなり、薬も尽きて、いざという時の為に
手榴弾を渡され、軍医と共に放浪する。

芥川賞の選考委員には、戦争を知らない若い世代がこうした事を書くことは良いけど、
内容、ノンフィクション的に甘いとか、足りないとか・・・

小説はノンフィクションではないのだから、人間が「或る時期」「或る場所」でどのように生きたのか?
それが充分テーマになっていれば良し!!と思う。

数年前に磯崎憲一郎が「肝心の子供」でブッダの三代に渡る物語を書いたのを思い出します。

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